2019/01/14

【発音規則についておさらい】 “エリズィオン”  

アンサンブル講師のHibikiです。

「発音規則シリーズ」、最後はエリズィオンです。

これは他の二つに比べるとやはりちょっと癖があります。
リエゾンもそうでしたが、このエリズィオンも、
いかにもフランス語らしい規則と言えるかもしれません。

ご存知の通り « me », « te », « se », « le », « que » などの
« e » で終わる短い単語や、
限定的に « la », « si » などの単語で
母音が落ちてアポストロフに替わる (m, t, s, l, qu ) ことを
エリズィオンと言いますが、
フランス語では定冠詞つきで書けば « l’élision »
まさにここでエイズィオンが起き、
 
« la l » となっているわけですね。
 
これもなんでそうなるのか、
ちょっと考えただけではわかりません。

けれど実は意外とシンプルで、
以外にも発想はリエゾンと同じなのです。

つまり、
「母音衝突を避ける」のが目的として常にあるということですね。

ただ、リエゾンは
「二つの母音の間に子音を挟む」ことによって母音衝突を避けるのに対し、

エリズィオンは
「二つの母音のどちらかを消す」のが異なるところです。

でも、なんでそもそも、そんなに母音衝突を嫌うのでしょうか?
それはフランス語特有の 発音しやすさ の基準にあります。

少しややこしい説明になってしまいますが、
子音(consonne)C、母音 (voyelle)V とすると、
フランス語において発音しやすいのは CV構造

つまり「CVCVCV」と子音と母音が一個ずつ交代で現れるときだと言います。
(なんだか少し日本語にも似ていませんか?)

だから「VV」になったら C を挟んで「VCV」にしたり(リエゾン)
あるいは「CVVC」の V を一つとって「CVC」にしたり(エリズィオン)するのです。

ところで、エリズィオンでいちばん省かれやすい母音字はなんでしょうか?



もちろん « e » ですね。

このアルファべはなかなかの問題児で、
ここでは扱いきれないのでまたの機会に^^

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