2012/09/15

理解が難しいフランス文学!?

Bonjour !
Ayakoです。

今回はフランス文学についてです。

・・・と言っておきながら、フランス文学はどうも理解できません。

歴史史実は好んで読みますが(特にマリー・アントワネットネタ)、
「文学」の粋に入ってしまうと本当に理解に苦しんでばかりです。

思い起こせば初めてフランス文学に触れたのは高校生の頃。

カミュ「異邦人」(日本語訳)

ちんぷんかんぷんでした。

そして
デュラス「ラ・マン」日本語訳)

共感どころか理解不可能な世界…

フランスに住み始めてから、共に仏語で再挑戦するも読破できず。


有名どころ、コレット「青い麦」もまずは日本語で試したら…
無理です。。。。

30歳を過ぎた未亡人が16歳の少年に手を出すという、
到底わからなくて(共感できなくて)いい世界でした!!!
…ってデミ・ムーアとか最近のセレブは皆そんな感じですが(汗
一般人にはありえない設定ですよね。。。。。。



ところで文学だけではなくフランスの子供向け童話も、
西洋のグリムやアンデルセンに代表されるように、
オリジナルはなかなか刺激が強いものなのです。

その中でも、最近かなりショックを受けた話がこれ。

「Pau d'Ane ポー・ダンヌ(ロバの皮)

馬好きの娘が最近図書館から借りてきた絵本なのですが、
読み進めていくうちに驚愕し、読み聞かせるのを躊躇した頃、
当の娘は眠りについていたのでホッと胸を撫で下ろした作品。

そのショッキングな内容とは?
はじまりはじまり~…。

※( )内は私のコメントです

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「・・・昔々あるところに、それはそれは国民思いの賢い王と、
それはそれは美しく優しい王妃がいました。

二人は深く愛し合っていて、やがてそれはそれはかわいらしい女の子が生まれ、
とても幸せでした。

王国には金を生む(?)一頭の耳の長いロバがおり、王はこのロバを愛で、
特別待遇をしていました。

そんな幸せなある日、王妃が病気に倒れます。
臨終の時、王妃は王にこう約束させます。

「私以上に美しく賢い人と再婚してくださいね」
(そんな遺言もあったものか…??)

王妃の死後、王は悲しみにくれます。
見かねた家臣たちは近隣の王女を再婚相手に、と紹介しますが

「みな亡くなった王妃の美しさにはかなわない」

と首を縦に振りません。

そんなある日、美しく成長した王女に亡き王妃の姿を重ねた王様は、
こともあろうか自分の娘である王女に恋をしてしまうのです。
(のっけから人間社会のタブーに挑戦ですか!?!?!?!?)

悩んだ末、王は大臣に相談します。

すると王の憔悴をみかねた大臣は、
「それは良いお考えです!」
と二つ返事でGOサインを出します。(おい待て、大臣!!)

その日から王の猛烈なアタックが始まりました。(すごいいやだ)

困り果てた王女は、*代母の妖精に相談します。
(*キリスト教の洗礼式に立てる、後継人のようなもの)

すると妖精は
「できないものを要求すればいいのよ」と言い、

「太陽の色をしたドレスが欲しいとねだりなさい」と助言します。
(ええ~~、なんて場当たり的な助言・・・)

すると王は国一番の仕立て屋に、
「失敗したらつるし首だ」と前打って、
ドレスを作らせます。
(首がかかってたら仕立て屋だって頑張るよね

出来上がったドレスはそれはそれは美しい、
まさに「太陽色のドレス」でした。

王女が妖精に泣きつくと、
今度は「月色のドレス」

その次は「虹色のドレス」

仕立て屋のドレスはどれも素晴らしい出来栄えで非の打ち所がありません。

困り果てた妖精は、
「それならば王が大事にしているロバを殺し、
その皮を持ってこさせなさい」と言います。
(えっ!ちょっと!??)

自分の娘への恋に狂った王はあれほど愛でていたロバを殺し(!!!)、
その皮を剥いで王女に得意そうに届けるのでした。(絶句・・・)

もう後が無い王女、妖精は言います。
「あなたを守り続けるから、
このロバの皮をかぶって城を出なさい」

王女は行く先々で「汚い、醜い」と罵られながらロバの皮をかぶり続け、ようやくある国の親切な村人が提供してくれた小屋に落ち着きます。

その頃には民衆から「ロバの皮」と呼ばれるようになっていました。
(ひどい、何でこんな目に・・・)

妖精が持たせた魔法の小箱には王から貰った様々なドレスや宝石が揃っています。
王女は人目を忍んではそのドレスや宝石を身に着けて自分を慰めておりました。

そんな中、偶然その国の王子が小屋の前を通りかかった際、
鍵穴から美しく装った「ロバの皮」の姿を見てしまいます。

一瞬で恋に落ちる王子。しかし相手は醜い「ロバの皮」。
両親はとても許してくれそうにありません。

恋の病にかかった王子はある日、我慢できずに「ロバの皮に」
タルトを焼いて持たせるように命じます。

タルトを作っている最中、「ロバの皮」は生地の中にうっかり、
高価な指輪を滑らせてしまい、それを見つけた王子は宣言します。

「この指輪が合う娘と結婚する」と。

町中の娘たちが指輪を試しましたが誰の指にも合いません。

最後に嘲笑を受けながら試した「ロバの皮」には驚くほどぴったりはまり、
王女はようやく醜い「ロバの皮」脱ぎ、美しい姿を見せることができました。
(良かったね)

王子の両親である王とお妃はたいそう喜び、隣国の王たちを呼んで、
若い二人の婚礼パーティーを開くことになりました。

招待客の中には、例の、実の娘である王女に求婚した王もいます。

王女はとても不安な気持ちの中婚礼パーティ当日を迎えたのですが、
なんと父王は王女が行方知れずになっている間に新しい妃を迎えて、
幸せに暮らしていたのです
(どのツラ下げて!!!!!?????)

娘と再会した王は結婚を祝福し、みんな末永く幸せに暮らしました。

終わり。

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その後のネット検索で、作者は「青ひげ」のペローと発覚。

なるほど、そういうことか…



…と、ここで話を終わらせてはフランス語講師としてあまりにも
申し訳が立ちませんので、最近目からウロコだった本をご紹介!

Bruno Bettelheim 著

Psychanalyse des contes de fées

 (おとぎ話の精神分析)


先日、たまたまガールズトークをした友人から紹介されたもの。

こちらを辞書代わりに読み進めていくと、おとぎ話特有の残酷な出来事も、
残酷ではなく解読されて行くのです!!

世の中知らなくて良いこともありますが、この本の分析を知っていれば、
おとぎ話の謎が一気に解明できとてもすっきりです!!

ということで、(私を含め)フランス文学が苦手という方!
決して諦めず様々な作品に挑戦していきましょう~~!!


で、どうしても行き詰まったら、文学の得意なYuki先生、
Shoko先生、Michiko先生にレッスンでアドバイスを求めてください・笑
逃げたな~~!??と言う声が聞こえなくもないですが・汗

ご精読ありがとうございました!

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2 件のコメント:

  1. "Pau d'Ane" はDVDで見ましたが、あり得ないシチューエーションに仰天!!! でも、まあ、「本当は恐いグリム童話」とか一昔前に出版されたことありますけど、ああいうおとぎ話とか童話とかは、大げさなくらいに残酷だったりしていて、それをディズニーがあまりに美しい物語に変えてしまったと聞いています。日本のおとぎ話もそうですが、これらは道徳を説くものなので、子供が、恐い~、そんなのいやだ~と思うように、わざと大げさに残酷な物語にしているらしいです。ペローの「赤ずきんちゃん」も、ラストは狼に食べられたままで、猟師さんに助けられないんですよね。容易に人を信じちゃダメだという教訓らしいです。

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    1. スタッフK です。
      今回のAyako先生の記事でちょっと震え上がってしまいました(汗
      童話には学ぶところが沢山ありますが、やはり社会に出て経験して痛みを知っていくような気がしますね。
      グレムリン童話はそれの予行練習でしょうかね。

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